Kilometre Zero(キロメートル・ゼロ)
- 2006.10.21
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ヒネル・サレーム監督。シネフィル・イマジカにて放映。
クルド人のイラク軍兵士が、他の兵士の遺体を遺族に届ける
任務に着いたのに乗じて、軍からの逃亡を試みる過程を描いた
一風変わったロードムービー。戦争中を描いているのだけど、
「ウォッカ・レモン」同様、悲劇の中にもユーモラスな描写が
多々あり、全体的にそれほど暗さは感じられない。むしろ、
ラストのパリの街の描写が、どんよりと暗い雰囲気で、妙に
重みを感じるシーンになっている。
戦争を描いた映画など、舞台が自分の想像を絶するような場合、
どこまでがリアルなんだろうかという思いのせいで、どうしても
入り込みにくいところがある。アラブ人とクルド人の対立の構図
なども、それに拍車をかけている。映画を観ながら、ついつい
考え事をしてしまうような、、
監督自身、10代でクルディスタンを脱出してパリに行ったようだけど、
そのせいでクルド人の悲劇が描ききれていないのかななどと勘繰って
しまった。とりあえずクルド人ネタ以外の映画を撮ってもらいたいな。
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